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水産経済新聞(日刊水産経済新聞
THE SUISAN-KEIZAI DAILY NEWS
(suikei.co.jp)
私ども全国漁業信用基金協会は、2017年4月3日に全国に存在した漁業信用基金協会のうち19協会の合併により設立し、2019年4月1日に18協会を、2020年に青森県協会をそれぞれ吸収合併し、名実ともに全国一円を範囲とする協会となり、早いもので今年4月に1次合併から7年、2次合併から5年が経過することになりました。
合併の効果の一つに、一被保証人当たりの保証限度額を掲げることができます。単独の協会では引き受けることができなかった案件についても、合併後は当協会全体の基金等現在高を基準とすることができるようになりました。特に最近はリース事業を利用する漁業者が増加していますが、漁船や漁網の価格が高額となっており、単独の協会であれば保証対応できなかった案件が増えてきています。このような案件も保証対応できるようになり、漁業者の皆さんに喜ばれています。
一方、我が国の漁業者が右肩下がりで減少していることから、協会の会員数や保証残高も減少傾向で推移しており、この傾向は今後も避けられない状況となっています。
このような状況に対応するため、基本問題検討委員会を設け、喫緊の課題となっている「保証推進」と「組織再編」に重点的に取り組むことにしています。
当協会には、38の支所があることから、これらの課題に対しては様々な意見が出されますが、私は役職員に対し「着眼大局、着手小局」を心がけるように言っています。
「着眼大局」とは、広い視野で物事を全体的に大きくとらえ、その要点や本質を見抜くこと。そして「着手小局」とは、実際に取り掛かるときは、細かなところにも目を配り、具体的に実践していくことであります。
当協会では、「私たちは、中小漁業者等の信用力を補完し、経営に必要な資金の融通を円滑にすることにより、水産業の振興を図るとともに、漁村地域の発展に寄与して参ります」を経営理念に掲げています。
当協会の役職員は、常に浜の皆様に寄り添い、経営理念の達成に向け、一丸となって取り組んで参ります。
令和6年4月
全国漁業信用基金協会
理事長 武部勤